食べログの評価が、あてにならないって本当ですか?
良い飲食店を探したいんですが。。。
食べログを参考にするのはいいですが、100%信じないように。
先日、こんなニュースが流れていました。
グルメサイト「食べログ」でチェーン店であることを理由にコンピューター上の算式「アルゴリズム」を不当に変更されて評価点を下げられたとして、焼き肉チェーン店運営会社「韓流村」(東京)が、食べログ運営会社「カカクコム」(同)に約6億3900万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は16日、3840万円の賠償を命じた。
食べログ側が負けた、ということですね。
食べログの評価の信憑性については、以前から議論されています。
本記事では、「なぜ食べログの評価があてにならないのか」をテーマに解説していきます。
食べログさんを批判する意図はありません。
あくまで「評価のやり方」についての、個人的な意見です。
<本記事の内容>
- 食べログの評価があてにならない理由
- 食べログの評価があてにならない時の対策法
がわかります。
この記事を読むことで、
「飲食店を探す時に気をつけるべきこと」が理解でき、良い飲食店を判断する方法がわかるでしょう。
この記事を書いている僕は、
- 現在37歳
- 飲食店で働いて10年以上
- 現在でも毎月1万円、食べログさんに掲載料を支払っています。
ちなみに僕のお店の点数は、5点満点中の「3.09」です。
今回は、僕が働く側である「飲食店の本音」も交えながら解説します。
食べログの評価があてにならない2つの理由
食べログの評価があてにならないと言われるのは、主に以下の理由です。
- 食べログの評価があてにならない理由①:アルゴリズムが不透明すぎる
- 食べログの評価があてにならない理由②:飲食店の好みは、人それぞれ
以下、実際の口コミの例です。
<ある焼肉店の口コミ>
ずっと気になっていたんだが、初めてお邪魔した。
3.05って評価がどこから来たんだろう?
料理(一品、焼き物)、飲み物、サービス、コスパ、何を取っても文句ありません。
ここより旨い焼肉屋は知らないし、本来なら相当上位になるのでは?
<あるカレー店の口コミ>
評価方法に問題があったりと大して当てにしちゃいけないとはよく聞きますが、それにしたって当たらなさすぎです。
評価で言えば「3.5以上」でかなり絞られてきますから、これを境に美味しい店と判断しているのですが、さっぱりです。
わざわざ宿までとってグルメ遠征した人気カレー店。
単なる薬臭いだけでした。
このような口コミがたくさんあります。
食べログの評価があてにならない理由①:アルゴリズムが不透明すぎる
理由の1つ目は、「アルゴリズムが不透明すぎる」です。
「評価がわかりづらい」ということです。
食べログの方針では、以下のように書かれています。
- ユーザーの各評価を単純平均したものではない。
- 影響度はユーザーによって異なる。
- 飲食店向けサービス(有料)を利用しているかどうかが点数に影響することは一切ない。
- 評価点の調整を行う場合がある。
ここで重要なポイントは、
- 「食べログ内で決められた評価基準によって点数をつけている」
- 「食べログ側が、点数の調整もできる」
ということです。
納得できないと感じている飲食店も多い
僕のお店でも、「食べログの点数を上げよう」と頑張ったことがあります。
しかし、結果的にムリでした。
- オープンしてからの年数
- 来客数・予約数
- チェーン店かどうか
- 口コミの数
- レビューが多い人の評価
どの目線で研究してみても、
「こうすれば点数が良くなるんじゃないか」という方向性が見えてきません。
食べログは、SEOより難しい
「アルゴリズムが不透明」という共通点で考えると、SEO対策も似ているかと思います。
SEOとは、「検索エンジンからサイトに訪れる人を増やすことで、Webサイトの成果を向上させる施策のこと」。
簡単にいうと、「僕のブログの記事が、Google検索で上位に来るように対策すること」です。
食べログの評価と、SEO対策は、「アルゴリズムが不透明」という点で似ています。
ただ、個人的には
「ブログでSEO対策をして、上位表示する」よりも、「食べログの点数を上げる」方が難しいです。
理由は、「どうすればいいのか、全くわからないから」です。
SEO対策は、対策の方法がある程度わかります。
食べログは、まったくわかりません。
それほど、不透明な部分が多いのです。
広告費の影響力はあるのか?
「飲食店が、食べログに広告費をいくら支払うかによって、評価が変わるのでは?」
という声もあります。
これに関しては、正解はわかりません。
僕のお店は、1万円の一番安いプランなので。
個人的には、「点数には影響しないだろう」と思っています。
食べログ側でも、
「飲食店向けサービス(有料)を利用しているかどうかが点数に影響することは一切ない。」
と明記しています。
高いプランにすることで、「食べログ上で優先的に表示されやすい」という
メリットがあるようですが、費用対効果は低いと思います。
ヤラセや、サクラは、本当にあるのか?
ヤラセやサクラは、本当にあります。
あまり大きい声では言えないんですが。。。
僕のお店にも、「グルメインフルエンサー」と言われる方がいらっしゃったことがあります。
詳細は省きますが、高い評価をしていただけました。
これは食べログがどうという話ではなく、
「食べログ内でレビューの影響力がある人が、お金をもらってお店の評価をすることがある」
ということです。
ステマと言われるやつですね。
まぁでも実際はそれほど多くもないと思うので、実際の影響は小さいかと。
食べログの評価があてにならない理由②:飲食店の好みは、人それぞれ
食べログの評価があてにならない理由の2つ目は、「飲食店の好みは、人それぞれだから」です。
お店に何を求めるかは、人によってバラバラです。
- 料理の味
- 接客や雰囲気
- 立地
- 歴史
- コスパ
などなど。
「味が良ければそれでいい。」という人もいれば、
「素晴らしい接客に価値を感じる。」という人もいます。
「安ければ安いほどいい」という人と、
「高くても美味しいものを食べたい」という人の評価が別れるのは、当然のことです。
飲食店の価値は、さまざまな要素が絡まって出来上がります。
それを「点数のみ」で判断しようとすると、無理が生じます。
どうしても「評価があてにならない」と思う人が増えてしまのです。
僕のお店では覆面調査を入れているのですが、過去に「同じタイミング」で2組の調査が入ったことがありました。
同じ日に、同じ時間、隣どうしの席でした。
ほぼ同じ状況のはずなのに、2組の点数は「100点」と「60点」の差がありました。
人の好みはそれぞれだなぁ、と感じたのを覚えています。
お店に行くタイミングによっても、満足度が変わる
人の好みがバラバラなのに加え、「いつお店に行くか」によっても評価が変わります。
僕も飲食店をやっているのでわかりますが、
「同じ場所」「同じ時間」に営業しているはずなのに、評価が変わる場合があるのです。
評価が変わる原因は、以下のようなこと。
- 働いている人が違う
- 仕入れる食材が違う
- 急なトラブルが生じる場合がある(アルバイトが急に休むなど)
- 混み具合によって違う
極端な話、同じお店でも
- 大将が最高の仕入れをして、スムーズに営業している日
と
- 副店長が、必死で満席の店内を回している日
では、差が出て当然です。
どんなに頑張っていても、日によって差は出てしまいます。
食べログの評価があてにならない時の2つの対策法
食べログの評価があてにならないのなら、どうすればいいの?
以下の方法がおすすめです。
- 対策法①:食べログの「写真だけ」を参考にする
- 対策法②:食べログ以外の方法で探す
対策法①:食べログの「写真だけ」を参考にする
食べログに掲載されている「写真だけ」を見ましょう。
口コミは、参考程度に。
写真も、
- なるべく最近のもの
- お店側ではなく、他のお客さんが掲載したもの
を見ると良いです。
事実に近いものが見られます。
最近は、インスタグラムで写真が探せるお店も多いので、そちらでも良いかもです。
対策法②:食べログ以外の方法で探す
2つ目の方法は、食べログ以外で飲食店を探す方法です。
- 好みが近い「グルメな人」に聞く
- 信頼できるグルメインフルエンサーを探す
- グルメインフルエンサーじゃない人の、個人的オススメを探す
- 自分の足で探す
- 美味しいお店の繋がりから探す
- 行きつけの飲食店の店員さんに聞いてみる
- ずっと繁盛しているお店に行く
などの方法があります。
詳細はこちらの記事でどうぞ。
【飲食店勤務10年以上のプロが解説】美味しい飲食店の探し方7選
【飲食店の本音】食べログは否定しないが、食べログをあてにしすぎないでほしい話
僕の声を「飲食店を代表して」とは、とても言えませんが、
個人的な気持ちは以下の通り。
「食べログは否定しないが、食べログがすべてと思わないでほしい」
もう少し細かく見ていくと、
- 飲食店の本音①:集客の手段としては、ありがたい
- 飲食店の本音②:コスパも悪くない
- 飲食店の本音③:点数は不満
- 飲食店の本音④:食べログが全てと思わないでほしい
です。
飲食店の本音①:集客の手段としては、ありがたい
食べログは、集客の手段としてありがたいです。
実際、食べログの集客力はバカにできません。
当店の来店の1/3ほどは、食べログ経由できていると思います。
食べログ掲載をやめたことがないので、集客への影響力はわかりませんが、
少なからず来客に貢献していただいているのはたしかです。
感謝です。
飲食店の本音②:コスパも悪くない
お店側から考えるコスパは?
僕は、良いと思います。
月1万円で、100名の来店があれば売上30万円。
利益ベースで考えても、悪くありません。
ただ、高額の広告費を支払っている飲食店に関しては、そこまでコスパは高くないのかもしれません。
飲食店の本音③:点数は不満
点数に関しては、不満に思うことも多いです。
体感ですが、納得度は30%ぐらいかなと。
僕自身、評価が高いお店に食べに行って、
「たしかに納得できる」と思うこともあるし、
「絶対に自分のお店の方が勝っている」と思うこともあります。
とはいえ、文句を言っていても仕方ないので、営業努力をするのみです。
飲食店の本音④:食べログが全てと思わないでほしい
食べログがなくならないのは、
「役に立つ」と判断している人がいるということ。
それ自体は、問題ないです。
「誰の意見を信じるか」は、判断する人が決めればいい。
その上で、「食べログの評価がすべて」とは思わないでほしいです。
もちろん、飲食店側も営業努力をすべきです。
食べログの点数を上げたければ、上げる方法を考えるべきだし、
食べログに頼りたくなければ、他の方法を考えるべき。
ただ、実際に「食べログだけ」を見てお店を決めている人も多数います。
そういう方に、お店の良さが届かないのは残念なことです。
まとめ
飲食店をやっている個人としての意見は、
「食べログは否定しないが、食べログをあてにしすぎないでほしい」です。
実際、点数に納得できないとしても、個人店で裁判とかは難しいと思います。
口コミを増やしたり、常連さん獲得すると言った地味な努力が必要なのかなと。
僕は、「裁判してまで損を取り戻そう」とは思わないですが(そこまで影響も受けてないですし)、
点数が下がって大きく売上が下がってしまったお店はそう考えてもおかしくないですよね。
飲食店も、お客様も、食べログも、お互いにウィンウィンになる仕組みができるといいですね。
お店選びの参考になれば、幸いです。
今回は、以上です。
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