飲食店のコンセプトの作り方を3ステップで解説【意外と簡単です】

飲食店の話。

 

飲食店のコンセプトについて知りたい。

そもそも飲食店にコンセプトは必要?

コンセプトを作るってなんだか難しそうだけど、どうすればいい?

 

こんな疑問にお答えします。

この記事を書いている僕は、

  • 飲食業界歴が15年以上
  • 飲食業の開業支援5年
  • 飲食店の実務経験10年以上

飲食店のコンセプトついても何度も考えて、実際に作成してきました。

 

この記事では、

  • 飲食店におけるコンセプトとは何か?
  • 飲食店にコンセプトは必要なのか?
  • 飲食店のコンセプトを作るための具体的な3ステップ

を解説します。

 

この記事の結論ですが、

飲食店のコンセプトづくりは、

  1. ターゲット設定
  2. とりあえずのコンセプトを決める
  3. 違ったら改善する

の3ステップでできます。

以下で解説します。

 

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飲食店におけるコンセプトとは何か?

コンセプトは、「そのお店はどんなお店なのか」を言語化したもの

飲食店におけるコンセプトとは、「そのお店はどんなお店か?」を言語化したものです。

 

例えばスターバックスコーヒーのコンセプトは、「第三の場所」です。

家庭でも会社でもない、本当にくつろぐことができる「第三の場所」を提供するという意味です。

 

コンセプトがあることで、

そこで働く従業員は「何のために働くのか」が明確になります。

顧客にとっては「何のためにそのお店に行くのか」が明確になります。

 

わかりやすくするために、「コンセプトがある場合」と「コンセプトがない場合」を考えてみます。

<コンセプトがないスターバックスコーヒー>

  • 従業員の気持ち「コーヒーを販売する」
  • 顧客の気持ち「コーヒーを飲みに行く」

 

<「第三の場所を提供する」というコンセプトがあるスターバックスコーヒー>

  • 従業員の気持ち「一杯のコーヒーを通じてお客様が快適にくつろぐことができる空間を提供する」
  • 顧客の気持ち「ゆっくりとした時間を楽しむためにスタバに行ってコーヒーを飲む」

 

このようにコンセプトがある場合とない場合では、

従業員が働く意味や、顧客が感じる価値が変わってくるのです。

お客様が感じる価値が変われば、客単価や売上も変わってきます。

 

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飲食店にコンセプトは必要なのか?

僕の結論は、「コンセプトは必要」です。

ただ、コンセプトを難しく考える必要はありません。

その理由を解説します。

 

コンセプトが本当に機能するのは、ブランド力のある大企業だけ

スターバックコーヒーの「第三の場所」というコンセプトが機能するのは、

スターバックスコーヒーが「ブランド力のある大企業だから」です。

 

大企業になれば、顧客に対する影響力も大きい。

また、従業員に伝える内容もまとめる必要があります。

なので、コンセプトは重要です。

 

一方、中小企業や個人店はどうでしょう?

試しに、あなたの街の小さな飲食店について考えてみてください。

 

近所のカフェや居酒屋のコンセプトについて考えたことがありますか?

また、従業員に対して「お店のコンセプト」を理解させようとしているお店を見たことがありますか?

 

ほとんどないはずです。

それでも繁盛しているお店はあります。

 

ちなみに僕が勤めている会社は飲食店舗50店舗ほどの規模ですが、

コンセプトは店舗ごとに違うし、売上が伸びなければしょっちゅう変更しています。

 

規模が小さい飲食店は、コンセプトにこだわりすぎる必要はないということです。

自分の意思を明確にするためにコンセプトを作ろう

では、小さい飲食店ではコンセプトが必要ないか?

というとそんなことはありません。

小さいお店でもコンセプトがあることで、近所の店舗との差別化ができるからです。

 

僕が勤めている居酒屋のコンセプトは「地域一番の焼き鳥屋」です。

実際に地域で一番人気かというとそんなことはないですが、

10位以内には入るぐらい売れてはいると思います。

 

小さな飲食店がコンセプトを決める一番のメリットは、

「店主が、自分がやりたいことを明確にできる」ことです。

 

飲食店は、オープンしていれば毎日の営業はできます。

でも、ただ営業しているだけでは他の店舗との差別化ができません。

そこで必要なのがコンセプトです。

 

「地域一番の焼き鳥屋」というコンセプトがあれば、

「とにかく焼き鳥にこだわろう」という気持ちが生まれます。

 

焼き鳥の焼き方や、お客様への説明にも、自然と熱意が生まれます。

店主が本気になれば、従業員にもお客様にもその気持ちは伝わるものです。

店主や店長が「自分はどういうお店を目指すのか」を明確にするために、

コンセプトは重要なのです。

コンセプトは変えてもいい

「コンセプトは絶対」と思い込んでいる人もいますが、そんなことはありません。

あまり頻繁に変えるのは良くないですが、例えば「1年やってみて違うと思ったから変える」

は全然ありです。

 

「コンセプトは絶対」と考えるから、なかなか決められないのです。

「とりあえず決める」「違ったら変える」ぐらいの柔軟な気持ちでやってみましょう。

 

僕自信、過去に

「旬の食材にこだわった総合居酒屋」

「田舎の居心地を感じられる和風居酒屋」

「串とサービスで感動を与える地域に愛される焼き鳥屋」

など、コンセプトを変えて来ました。

 

結局、今はシンプルな「地域一番の焼き鳥屋」というコンセプトにしています。

「コンセプトを変えたから売上が下がった」ということもありません。

むしろ、ブラッシュアップすることで売上は伸びやすくなったと感じています。

 

中小の飲食店にとっても、コンセプトは必要なものなんだね。
コンセプトが大事なのはわかったけど、実際にどうやって作ればいいの?

次の3ステップで、簡単にできるんだ。

飲食店のコンセプトを作るための具体的な3ステップ

コンセプトを作る方法は、以下の通りです。

  1. 具体的なターゲットを設定する
  2. とりあえずのコンセプトを決める
  3. 違ったら改善する

 

飲食店のコンセプトの作り方を調べると、

「5W2Hを使って。。。」「まずはコンセプトシートを埋めて。。。」

などと難しいことが書いてありますが、僕はあまり意味ないと思います。

細かいことを決めたところで、忘れるからです。

 

あまり細かいことを考えず、シンプルにいきましょう。

順番に解説していきます。

具体的なターゲットを設定する

まず「誰をターゲットにしたお店なのか」を明確にします。

自分、もしくは身の回りの誰かを思い浮かべてください。

そして、その人が使いたくなるようなお店にしましょう。

 

ちなみに僕のお店のターゲットは、「自分」と、「妻」です。

  • 自分が通いたいお店
  • 妻が、誰かを連れて来たくなるお店

これを目指しています。

 

ポイントは、「実在する人をイメージすること」です。

「20代の女性グループ」など、アバウトなイメージをしても意味がありません。

 

身の回りの人を思い浮かべて、具体的にターゲット設定しましょう。

とりあえずのコンセプトを決める

ターゲットが明確になったら、コンセプトを決めます。

コンセプトを決める時に大切なのが、「完璧を求めず、とりあえず決める」ということです。

 

コンセプトは「これが正解」という答えがあるわけではありません。

コンセプトを決められない人は、完璧な答えを探そうとして行き詰まってしまいます。

 

まずは「ターゲットが行きたくなるのは、どんなお店だろうか」と考えて、書き出してみてください。

その中から現時点で一番しっくりくるものを選びましょう。

 

コンセプトは重要ですが、変更可能なものです。

自分の中で一通りアイデアを考えたら、思い切って「このコンセプトでいく」というのを決めてしまいましょう。

 

1つだけ注意点ですが、特に小さい飲食店の場合は、「奇抜なコンセプト」になりすぎないよう気をつけましょう。

例えば、「日本で一番フィンランド料理が美味しいお店」というコンセプトにしたとして、

果たしてお客様がくるでしょうか?

来るかもしれないし、来ないかもしれません。

 

「絶対に売れる」という自信があればいいですが、

もし売れなかった時に変更するのが難しいです。

 

「旬の食材にこだわった総合居酒屋」→「地域一番の焼き鳥屋」は変更可能ですが、

「日本で一番フィンランド料理が美味しいお店」→「地域一番の焼き鳥屋」は、厳しいです。

なんとなくイメージが湧くでしょうか。

 

基本的にはターゲット設定がしっかりできていればこの辺りは問題ないかと思います。

違ったら改善する

コンセプトを決めてみて、途中で「違うな」と思ったら変えましょう。

 

実際にコンセプトに沿って営業してみると、

「このコンセプトだとお客様にウケていないな」とか

「コンセプトが従業員に伝わっていないな」などと思うことがあります。

「思ったように売上が伸びないな」というのが一番わかりやすいかもしれません。

 

その時は、違うコンセプトに変更すればOKです。

1つのコンセプトでいきなりうまく行く方が珍しいです。

 

「とりあえず決めて、違ったら変える」というふうに、柔軟にやってみましょう。

まとめ

  • 飲食店におけるコンセプトとは、「どんなお店にしたいか」
  • コンセプトは重要だが、本当に機能するのはブランド力のある大企業だけ
  • とはいえ、中小飲食店でもコンセプトの意味はある
  • コンセプトの作り方は、「ターゲット設定」「とりあえずコンセプトを決める」「違ったら改善する」

お店のコンセプト作りの参考にしてみてください。

今回は以上です。

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