飲食店をやっているが、人手不足で困っている。
採用しようとしてもなかなか応募がないし、アルバイトもどんどん辞めていく。
「なんとかしなければ」と思っているが、どう手を打てばいいのかわからない。
こんな悩みにお答えします。
この記事を書いている僕は、
- 飲食業界歴15年以上
- 人手不足の厳しい状況に向き合いながら、現役で飲食店を営業しています。
人手不足で苦しい飲食店の気持ちは、本当によくわかります。
僕が現場で実践し、効果があった方法をお伝えします。
<本記事の内容>
- 人手不足で悩む飲食店がやるべきこと8選
- 飲食店が人手不足になる3つの理由
- 飲食店の人手不足は解消しないので、貪欲にチャンスを狙おう
人手不足で悩む飲食店がやるべきこと8選
人手不足の飲食店がやるべきことは、以下の通りです。
- 働きやすい人間関係を作る
- 労働環境を見直す
- オペレーションを見直す
- 店休日、営業時間を見直す
- 求人サイトで募集する
- アルバイトさんに友達を紹介してもらう
- お客様に声をかける
- 配達員に声をかける
最も大切なのは、「今いる人を辞めさせないこと」です。
働く人が長く続けてくれる環境ができれば、あとは採用の方法を考えるだけです。
働きやすい人間関係を作る
働く人同士の人間関係を良くしましょう。
人が辞めていくのは、たいてい「人間関係が悪い」か「お金が稼げない」のどちらかです。
特にアルバイトさんは、「時給がそれほど高くなくても、楽しい職場で働きたい」という気持ちが強い。
リーダーが率先して、「人間関係の良い職場」を作るよう努力すべきです。
どんな職場を作ればいいのかわからない人は、以下の記事を参考にしてみてください。
労働環境を見直す
みんなが気持ちよく働ける環境づくりをしましょう。
毎日働く職場が快適でないと、働く人のモチベーションは下がってしまいます。
- お店は常にキレイに保たれているか
- ロッカーや休憩室は片付いているか
- 冷蔵庫などの設備や備品が故障していないか
- おいしいまかないが食べられるか
このような細かいところにもこだわって、良い労働環境を作りましょう。
オペレーションを見直す
お店にムダがないかオペレーション(キッチン作業、ホール作業)を見直しましょう。
オペレーションを見直す目的は2つです。
- 今より少ない人数でも営業できるようにする
- 1人にかかる負担を減らす
例えば、複雑な調理工程が必要なメニューが多ければ、その分オペレーションが重くなります。
オペレーションが重ければ、働く人数を増やすか、1人あたりの負担を大きくするしかありません。
どちらにせよ人手不足につながります。
- メニューを減らす
- 過剰なサービスを減らす
- 作り置きを増やす
などして、お店のムダがないかオペレーションを見直してみましょう。
店休日、営業時間を見直す
お店の休みを増やしたり、営業時間を短くするのも手段の1つです。
営業時間が減れば、その分働く人を減らすことができます。
休みや営業時間を見直すために、「損益分岐点」を確認しておきましょう。
「最低限これだけ売れればマイナスにならない」という売上を把握しておくことです。
例えば、現在月に300万円(1日平均10万円)売れていて、損益分岐点が200万円なら、
週に1度休んでも利益は出ます。
「最低限これだけ必要」という売上を計算して、休みや営業時間を見直しましょう。
求人サイトで募集する
新しい人を募集するために真っ先に思いつくのが求人サイトです。
ただ、みんなが思いつく分、ライバルが多いのも現状です。
- 時給を高く設定する
- お店独自の魅力を伝える
- 応募者の増えやすい3.4月や9.10月に募集をかける
など工夫をするようにしましょう。
アルバイトさんに友達を紹介してもらう
今働いているアルバイトさんにお願いして、友達を紹介してもらいましょう。
紹介で入ってくれた人は、「つながりがあるので辞めづらい」というお店側のメリットもあります。
僕の会社では「紹介制度」というものもあり、
紹介した側にも、紹介された側にも2万円ずつの支給があります。
一度、今いるアルバイトさんに声かけしてみましょう。
お客様に声をかける
来店いただいたお客様に声をかけて働いてもらうというのも手段の1つです。
お店に来たことあるお客様は、そのお店を気に入っている人も多いので働いてくれる可能性もあります。
実際、僕のお店でも「お店に来て雰囲気が良かったので働いてみたい」と言って働いてくれている方もいます。
お客様として来てお酒を飲んでいる時に声をかけさせていただき、後日採用させていただいたこともあります。
相手の状況を見て迷惑にならないよう気をつけながら、
お客様からの採用を狙うのもありです。
配達員に声をかける
出前館やウーバーイーツをやっているお店は、配達員さんを採用するのも手段の1つです。
僕のお店でも、採用事例があります。
配達員さんが受け取りに来た時に、「感じの良い方だなー」と感じたら声をかけます。
配達員をしながら、掛け持ちのアルバイト先を探している人もいるので、
そういう方を探してみましょう。
可能性は少ないですが、チャンスはあります。
だんだんとやるべきことが見えてきました。
でも、そもそもなんで飲食店はこんなに人手不足なの?
主な理由は3つあるんだ。以下で解説します。
飲食店が人手不足になる3つの理由
飲食店の人手不足の原因は、以下の3つです。
- 飲食業界に対するブラックなイメージ
- 若い世代の人口が減っている
- 負のスパイラル
飲食業界に対するブラックなイメージ
飲食業界は、もともと「労働時間が長い」「給料が低い」「仕事がきつい」
というブラックなイメージがあります。
そのイメージは、コロナでさらに加速しています。
- 飲食店で働くとコロナにかかりそうで怖い
- いつ休業要請が出て、働けなくなるかわからない
このような状況が、人手不足を加速させています。
若い世代の人口が減っている
原因の2つ目は、「若い人の人口が減っている」ことです。
少子高齢化の波は確実に来ていて、今後応募してくる若者の人数が増えることはありません。
アルバイトのメイン世代である10代、20代の人口が減っていくことで、応募人数も減っていきます。
負のスパイラル
原因の3つ目は、「人手不足による負のスパイラル」です。
人手不足で営業すると、その無理がまた人手不足を呼びます。
ブラックなイメージや人口減少で、飲食店は人手不足になる。
↓
人手不足でも営業するので、1人あたりの負担が増える。
↓
1人あたりの負担が増えると、辞めていく人も増える。
↓
また人手不足になる。
↓
(繰り返し)
このような負のスパイラルが発生します。
職場作りを見直したり、オペレーションを見直したりして、抜本的な対策が求められています。
飲食店の人手不足は解消しないので、貪欲にチャンスを狙おう
飲食店の人手不足は解消しない
少なくとも今後10年は、飲食店の人手不足は解消しないでしょう。
お店でできることは、
- 他のお店よりも良い労働環境を作って、今いる人を辞めさせない
- チャンスがあれば、積極的に人を採用する
この2つを徹底することです。
人手不足は、チャンスにもなる
人が少ないと大変ですが、その分チャンスと捉えることができます。
「今まで5人必要と思っていたことを、4人でやるにはどうすればいいか」
こんなふうに考えてみましょう。
少ない人数で営業できれば、管理もしやすいし利益も増えます。
現状を悲観的に見るのではなく、チャンスに変えていきましょう。
僕も一緒に頑張ります。
今回は、以上です。
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