飲食店でよくあるクレームってどんなものがあるの?
飲食店でクレームを受けた時って、どう対応すればいい?
クレームを少なくする方法ってあるの?
飲食店でよくあるクレームの種類と、その対応方法を解説します。
飲食店でよくあるクレーム6例
飲食店でよくあるクレームは以下の通りです。
- 出てくるのが遅い
- 商品間違い
- 異物混入
- 金額が違う
- サービスが悪い
- 美味しくない
他にも「待ち時間が長い」「予約したはずなのに、入っていない」「腹痛が起きた」などもありますが、めったに起きないレアケースです。
僕が日常的に営業している中で実際の現場でよくあると感じるクレームについて解説していきます。
出てくるのが遅い
よくあるクレーム1番目は、「頼んだメニューが出てくるのが遅い」です。
個人的には、これがもっとも多いんじゃないかなぁと思います。
牛丼屋で考えると、「牛丼を頼んだのに30分たっても出てこない」という感じです。
出てくるのが遅い理由は、大まかに以下の3パターンです。
- 注文ミスによりオーダーが入っていない
- オーダーは入っているが、混雑していて提供が追いついていない
- 他のお客様に提供してしまった
このようなケースが考えられます。
頼んだはずのメニューがいつまでも届かないと、お客様はイライラしてしまうのです。
商品間違い
よくあるクレームの2つ目は、「頼んだものと違う商品が届いた」です。
「牛丼を頼んだのに、豚丼が出てきた」というようなケースです。
この原因は主に3パターンです
- 注文ミスにより、違う商品が届いてしまった
- 注文は正しいが、作る商品を間違えた
- 他のお客様に出すはずの商品を、あやまって出してしまった
飲食店に食べに行って「頼んだメニューと違うものがきた」という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
異物混入
よくあるクレームの3つ目は、「商品の中に、異物が入っていた」です。
「牛丼の中に、髪の毛が入っている」というケースです。
僕が働いていたお店で、「プリンの中に、画鋲が入っていた」という怖いケースもありました。
- 髪の毛
- オーダーを書いた紙
- 割れたお皿やグラスの破片
こういうものが入るケースもあるので、気をつけましょう。
金額が違う
よくあるクレームの4つ目は、「お会計の金額が違う」です。
「牛丼1つしか頼んでいないのに、お会計が2000円もする」というようなケースです。
原因は以下のようなことが考えられます。
- 注文ミスにより、頼んでいない商品の金額がレシートに乗っている
- 他のお客様の商品が、間違って金額に入っている
その場で気付くケースもあれば、帰ってからレシートをみて気付くというケースもあります。
金額間違いをしないよう、今一度確認するようにしましょう。
サービスが悪い
よくあるクレームの5つ目は、「スタッフのサービスが悪い」です。
これは色々なケースが考えられますが、代表的なのは以下のようなものです。
- スタッフが笑顔もなくふてぶてしい態度をとっている
- スタッフが私語ばかりしている
- スタッフに適当に扱われている気がする
サービスに関するクレームのほとんどは、お客様が「放って置かれている」「寂しい」と感じることから来ています。
スタッフがしっかりとお客様目線で働くことが重要です。
美味しくない
よくあるクレームの6つ目は、「味が美味しくない」です。
「注文した牛丼の味がめちゃくちゃ薄い(濃い)」というようなケースです。
これもいくつかの原因が考えられます。
- 味付けを間違えた
- 古くなっているものを使ってしまった
- お客様の好みに合わなかった
好みの問題もあるので難しいですが、大切なのは「いつもと同じ味」をなるべく精度高く再現することです。
新人スタッフが入った場合などは、特に気をつけましょう。
飲食店でクレームを受けたときの対処法
飲食店でクレームを受けたときの対処法は、以下の流れです。
- 原因追及
- 謝罪する
- 今後の対策
原因追及
「まずは謝罪する」と教えている場面をよく見かけますが、僕は原因追及が先だと思います。
もちろん「明らかにお店側が悪い」という場面では、すぐに謝るべきです。
例えば、「持って行った料理をお客様に向けてこぼしてしまった」という場合などは、明らかにお店側に責任があるので謝るべきでしょう。
一方で、お店側に責任がないのにクレームを言われる場面もあります。
例えば、注文を言い間違えたのがお客様なのに「頼んだ商品と違う」と言われる場合などです。
この場合、お店側に責任はありません。
なので、僕は謝罪は不要だと考えます。
どうしても謝るのなら、「不快な思いをさせてしまい申し訳ありません」「分かりづらいメニューの書き方で申し訳ありません」という感じで、「謝るべき事実」に関してだけ謝りましょう。
何でもかんでも「クレーム=お店が悪い」、と考える必要はありません。
クレームがあったときは、まずお客様の話、スタッフの話をよく聞いて原因を追求するようにします。
何が原因なのか分かってから、必要に応じて手を打ちましょう。
謝罪する
お店の側に責任があるのなら、誠心誠意謝罪をしましょう。
ポイントは、「ひたすらお客様の話を聞く」ということです。
こちらの言い分があっても、グッと堪えて話を聞きましょう。
お客様は、気持ちを吐き出すことができれば半分ぐらいスッキリとするものです。
今後の対策
原因が明らかになり、謝罪を終えたら、最後に「今後の対策」を練りましょう。
同じミスが再び起きないようにするためです。
注文を間違えたために起きたクレームなら、「次回はどうすれば同じミスが起きないか」を考えましょう。
大切なのは、「誰かのせい」にするのではなく、「仕組み」で解決することです。
「今日はたまたま新人がミスしたのだから、あいつが悪い」ではなく、「どうすれば新人でもミスをしないか」を考えることです。
今後の対策をきちんと考えることができれば、同じクレームは起きなくなります。
クレームがつらいと感じる本当の原因
僕も飲食店で働いてきて、数々のクレームを受けてきました。
- 料理に虫が入っている
- スタッフの態度が気に入らない
- 食中毒になった、仕事ができないから給料を払え
- 履いていた靴がなくなった、お金を払え
などなど。
怒鳴られるようにクレームを言われたことも数えきれません。
怒られるのもツライですが、一番ツラいのは「こちらが悪くないのに謝らなければならない」という場面です。
こちらが明らかに悪いのなら、諦めもつきます。
でも、中には悪質なクレームを言うお客様もいます。
こちらが何も悪くないのに、相手の機嫌でクレームを言ってくるような人もいるのです。
ではなぜ悪質なクレーマーにも謝らなければいけないのか?
それは、「会社の方針がそうだから」です。
たいていの場合、会社のクレームマニュアルには「まず謝る」とあります。
本社にクレームが行けば、「謝ってなんとかしてこい」となるのが会社です。
原因が何であれ、現場の人間はとにかく謝らなければならないのです。
僕もそれで何度も悔しい思いをしてきました。
「こちらが悪くないのに謝る」ということを強制する会社は、辞めた方がいいと個人的には思います。
そういう会社は、従業員を大切にしていないからです。
今、僕が働いている職場では、「こちらが悪くないのに謝る必要はない」と伝えています。
悪質なクレーマーは、来ていただかなくて結構なのです。
会社が味方をしてくれれば、クレームでツラい思いをする人は確実に減るのです。
理不尽なクレームでツラい思いをしている方は、飲食店で「理不尽なクレーム」を受けたときの対処法【聞き流す】を読んでみてください。
飲食店のクレームを激減させる7つの方法
飲食店のクレームを激減させる方法は以下の通りです。
- 準備を念入りにする
- サービスをよくする
- 提供スピードを早くする
- お客様を入れすぎない 売上より満足度を優先する
- 責任者が最終チェックをする
- お客様の異変に気づく
- 近所の人と仲良くする
これは、実際に僕がお店で意識してやっていることでもあります。
おかげで、最近ではほとんどクレームもありません。
順番に解説します。
準備を念入りにする
しっかりとして準備をすることで、余裕を持ってお客様に対応することができ、
クレームは減ります。
営業前の準備をしっかりとやって、スムーズなご案内・料理提供ができるようにしましょう。
サービスをよくする
サービスの良いお店では、クレームが起こりづらいです。
働いている人のことが好きなら、お客様は少々のことで怒ったりしないからです。
笑顔、明るい声、ハキハキとした言葉使い。
このあたりをきちんと押さえていれば、クレームは激減します。
提供スピードを早くする
料理を出すスピードを早くしましょう。
僕の経験ですが、「料理が早すぎる」とクレームを言う人は1年に1度いるかいないかです。
逆に、「もっと早くしてくれ」と言う人はしょっちゅういます。
単純に提供スピードを早くすることで、クレームは減るのです。
お客様を入れすぎない
お客様を入れすぎないよう気をつけましょう。
「売上より満足度を優先する」ということです。
そのほうが、結果的に将来のお客様を獲得することにもつながります。
忙しすぎる時には「お客様を断る勇気」も大切なことです。
責任者が最終チェックをする
料理や接客に対して、責任者がきちんとチェックをすることです。
「味が美味しくない」「頼んだものと違う」というクレームは、提供前にチェックしていれば防げたかもしれません。
お店の全てを把握するのは難しいですが、責任者が重要なことをチェックするだけでもクレームは減ります。
お客様の異変に気づく
お客様の異変に敏感になりましょう。
僕が心がけているのは、以下の3つです。
- お客様の表情は笑顔か。(怒っていないか)
- (グループの場合)お客様同士の会話は弾んでいるか。
- 商品をずっと待っているお客様はいないか。
お客様の表情を見るだけでも、クレームを事前に察知し、防げる場合があります。
近所の人と仲良くする
近所の人とできるだけ仲良くなりましょう。
飲食店をを利用していただくお客様のほとんどは、近所の人です。
近所の人に良い印象を持ってもらっておけば、クレームも減ります。
道端で会った時にきちんと挨拶をする、という簡単なことでも続けていれば効果があります。
1つずつ実践して、クレームの少ないお店作りを実現してください。
以上です。
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