職場に、仕事を「ブラックボックス化」する人がいる。
仕事をしてる風だけど、実際何をやっているかわからないし、質問しても教えてくれない。
どうすればいい?
ブラックスボックス化させない文化を、今日から作りましょう。
※「ブラックボックス化」とは?
黒い箱に入っているように、中身が見えない状態。
ビジネス上では、「特定の人にしか、やり方がわからない仕事」のことを言います。
仕事をブラックボックス化する人がいると、困りますよね。
僕にも昔、「ブラックボックス化する部下」がいたので、よくわかります。
この記事を読むことで、仕事のブラックボックス化について理解でき、風通しの良い組織づくりの方法がわかるでしょう。
<本記事の内容>
- 仕事をブラックボックス化する人の心理
- 仕事のブラックボックス化を放置するとどうなる?
- 仕事をブラックボックス化させない方法
を解説します。
結論ですが、仕事をブラックボックス化させないためには、「社員の自分勝手を許さない」ことです。
上司や、経営者の覚悟次第で、大事故を防ぐことができます。
この記事を書いている僕は、
- 現在37歳
- サラリーマン経験 15年以上
- マネジメント経験 10年以上
- 上司ガチャでハズレを引き続け、うつ病診断で転職。
- 今はサラリーマンをやりながらも割と自由に生きています。
長年、業務改善に取り組んできました。
以下で解説していきます。
仕事をブラックボックス化する人の4つの心理
なぜ仕事をブラックボックス化してしまう人がいるのか?
その心理は、「自分の利益のため」です。
ブラックボックス化することで、自分の有利に仕事を進めるようにしている可能性が高いです。
具体的には、以下の通り。
- 仕事をブラックボックス化する人の心理①:自分の価値を示すため
- 仕事をブラックボックス化する人の心理②:他人に、特別なスキルを教えたくない
- 仕事をブラックボックス化する人の心理③:サボるため
- 仕事をブラックボックス化する人の心理④:不正を行いやすくするため
仕事をブラックボックス化する人の心理①:自分の価値を示すため
心理の1つ目は、「自分の価値を示すため」です。
「Aさんにしかできない仕事」があれば、他の人はAさんを頼らざるを得ません。
僕は飲食店に勤めていますが、
「Aさんしか作り方を知らない料理」があると、Aさんがいなければ仕事が回りません。
Aさんは、自分の仕事をブラックボックス化することで、自分の価値を示すことができるのです。
仕事をブラックボックス化する人の心理②:他人に、特別なスキルを教えたくない
心理の2つ目は、「他人に、特別なスキルを教えたくない」です。
ブラックボックス化される仕事は、「専門性が高い仕事」が多いです。
誰でもできる仕事なら、ブラックボックス化されようがありません。
- 専門的な知識が必要
- 身につけるまでに長い期間が必要
- 特別な訓練を受ける必要がある
など、時間や労力がかかる場合がほとんどです。
ブラックボックス化する人は、「自分が苦労して身につけたスキル」を簡単に人に教えたくないのです。
イヤなやつ(笑)
仕事をブラックボックス化する人の心理③:サボるため
心理の3つ目は、「サボるため」です。
他の人から見て何をしているかわからないので、簡単にサボることができます。
料理で例えるなら、
- 必要な準備
- 調理にかかる時間
- 盛り付けにかかる手間
などがわからない状態が、ブラックボックス状態です。
中身が見えないので、サボっていても他の人からはわかりません。
ちなみに、僕もたまに仕事をサボっていました(笑)。
良いサボり方と、悪いサボり方の区別は、以下の記事にて。
仕事をブラックボックス化する人の心理④:不正を行いやすくするため
心理の4つ目は、「不正を行いやすくするため」です。
特に「お金が関わる仕事」がブラックボックス化すると、不正が起こりやすくなります。
「経理担当者が横領した」という事件が起こるのも、ブラックボックス化が原因です。
他の人から仕事内容が見えなくなると、不正がごまかしやすくなるのです。
お金は特に、注意が必要です。
仕事のブラックボックス化を放置するとどうなる?
ブラックボックス化する人を放置すると、どうなりますか?
たくさんのマイナスが起きます。
- 放置した結果①:ブラックボックス化する社員が辞めると、困る状況になる
- 放置した結果②:他の社員の不満が大きくなる
- 放置した結果③:仕事の効率が落ちる
- 放置した結果④:不正につながる
放置した結果①:ブラックボックス化する社員が辞めると、困る状況になる
ブラックボックス化する人が「特別な存在」になります。
マイナスの意味です。
その人がいないと、仕事が回らないからです。
Aさんがいないと仕事が回らない
↓
Aさんを頼らざるを得ない
↓
Aさんが調子に乗る(給料を上げろ、などと言ってくる)
↓
会社にとっても、周りの社員にとっても迷惑な存在になる
これは会社にとっても、周りの社員にとってもマイナスです。
放置した結果②:他の社員の不満が大きくなる
上記のように、Aさんだけを特別扱いしてしまうと、当然他の社員は不満に思います。
組織としては、「この人がいなければ困る」という状況は作らない方が無難です。
「言うことを聞かないなら、辞めるぞ」と脅される可能性があるからです。
もしもAさんの要求を飲むなら、「Aさんだけを特別扱いする」ということになります。
結果、他の社員の満足度は下がります。
会社やチームは、「誰が抜けても困らない状態」を作るのが大切。
放置した結果③:仕事の効率が落ちる
「何をやっているのかわからない社員」がいると、チームワークが取れません。
結果、仕事の効率が下がります。
飲食店でも、お店がうまく回るのは「お互いの仕事内容が明確な状態」の時です。
接客をする人、料理を作る人、ドリンクを作る人。
それぞれがサポートし合うことで、お店がスムーズに回るのです。
料理が忙しい時は、他の人が料理のサポートに入ればいいです。
ブラックボックス化されていると、それができないのです。
連携が取れなくなります。
放置した結果④:不正につながる
上の章でもありましたが、ブラックボックス化を放置すると、不正につながります。
お金を扱う場面は、特に注意すべきです。
自分勝手な社員を放置しない
ブラックボックス化しているのが問題なのではなく、
「自分勝手なブラックボックスを作っている社員」を放置しているのが問題です。
何をしているかわからなくても、しっかり成果あげてくれる社員もいます。
会社のプラスになるよう自ら考えて動き、結果を出してくれるような社員です。
↑このような社員ばかりなら、放置していても良いです。
一方で、ブラックボックス化を利用し、サボったり不正を行う人もいます。
「危険だな」「よくないな」と感じたなら、それを放置しないことです。
しっかりと対策し、改善しましょう。
仕事をブラックボックス化させない4つの方法
仕事をブラックボックス化させないためには、「仕事に人をつける」ことが大切です。
仕事がブラックボックス化している組織では、「人に仕事をつけて」います。
例えば?
「Aさんは、料理が得意だからAさんに任せよう。」という感じです。
そしてどんどんブラックボックス化が進んでいくのです。
仕事に対して、人をつけるようにしましょう。
仕事を特別なものにせず、誰でもできる状態にしていくことです。
具体的な方法は、以下の通り。
- 仕事をブラックボックス化させない方法①:ダブルキャスト
- 仕事をブラックボックス化させない方法②:マニュアル化する
- 仕事をブラックボックス化させない方法③:担当者を入れ替える
- 仕事をブラックボックス化させない方法④:チェックする
仕事をブラックボックス化させない方法①:ダブルキャスト
ダブルキャストを取り入れましょう。
「1つの仕事を、少なくとも2人以上の人ができる状態にすること」です。
僕のお店でも、
「料理はAさんが担当」という仕事の決め方はしていません。
「料理はAさんもBさんもできる」という状態を常に作ります。
そうすることで、Aさんが休んでも、退職しても、問題なくお店を運営することができます。
複数の人が、仕事をできるようにしよう。
仕事をブラックボックス化させない方法②:マニュアル化する
仕事をマニュアル化しましょう。
マニュアルは、「誰でもその仕事ができる状態」にすることです。
コンビニは、アルバイト1人でも営業できます。
それは、マニュアルがあるからです。
僕も学生時代コンビニでアルバイトをしていましたが、分厚いマニュアルがありました。
そのマニュアルを見れば誰でも仕事が分かるので、一月も経てば新人でも普通に仕事ができるのです。
仕事をブラックボックス化させない方法③:担当者を入れ替える
定期的に、担当者を入れ替えましょう。
料理、ドリンク、ホールの仕事があるなら、人を入れ替えながら3つの仕事を回すことです。
もちろん、短期的に仕事の精度が落ちるかもしれませんが、仕事がブラックボックス化するより全然マシです。
仕事を入れ替えることで、強制的にブラックボックス化を防ぐことができます。
仕事をブラックボックス化させない方法④:チェックする
上司が、仕事内容をチェックしましょう。
上司がやりがちなのが、「任せるという名の、放置」です。
「料理は、得意なAさんに任せた」と言いながら、仕事内容のチェックをしないのです。
任せるのはいいですが、放置はしないことです。
不正が起きたり、サボることがないよう、仕事をチェックするのも上司の仕事です。
嫌がられても、チェックしよう。
ブラックボックス化は、放置する上司(社長)の責任
仕事がブラックボックス化しているのなら、その責任は上司、または社長にあります。
人は、弱い生き物です。
目の前にお金があって、誰にもバレないなら「盗んでしまえ」と思ってしまうものです。
不正をしたり、サボったりできない仕組みを作るのが上司であり、社長の仕事です。
ブラックボックス化をさせないために、工夫しましょう。
100%ブラックボックス化させないのは、難しいと思う話
すべての仕事を、見える化することはできない
見える化は大切ですが、実際のところ100%ブラックボックス化を防ぐのは難しいかと。
僕は現在、オープンキッチンの飲食店で働いているので、割と見えやすい職場だと思いますが、
それでも「わからない部分(ブラックボックス)」があります。
僕自身が週5日出勤していても、見えない部分はあります。
特に、急成長している会社や、変化が激しい業種では、
多少ブラックボックス化された仕事があるのは、しょうがないのかなと。
対策をしつつも、「そもそもサボったり不正をしない信頼関係」を作るのが大切です。
結局、どんな人が働くか
上司、社長がやるべきは以下のようなことです。
- ブラックボックス化しづらい仕組みを作る
- 信頼できる人を採用する
- 信頼できる人が残り、信頼できない人は辞めていく文化を作る
時間はかかりますが、覚悟を持って進めていくことでブラックボックス化は防ぐことができます。
結局、どんな人が働いているのかで会社は決まります。
兆しを諫める
「1300年間、読み継がれている帝王学の教科書」といわれる『貞観政要』の中に、こんな言葉があります。
「問題が起こってから諫めるのではなく、問題が起こりそうな兆(きざ)しを諫めることが大事である」
これは現代の職場環境にも通用する言葉です。
「危険だな」「怪しいな」「このままだと良くないな」と感じたなら、その瞬間に改善することです。
ブラックボックス化に気づきながら放置すると、いつか大事故につながります。
風通しの良い組織を作り、働く1人1人が気持ちよく仕事ができる環境を作りましょう。
今回は、以上です。
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